さくら

あれは幻 いつか見た夢の世界
微かな記憶は 確かに見えた景色

君は少しだけ 俯きながら言った
『もうすぐ、春が来るね』
その声は震えていた

さくら咲いて 君に出会って
笑って泣いて 季節を越えて
僕ら少し 大人になって
大事なことが 分かりはじめた

会えない月日は多分
さよならよりも苦しくて
それでも頷くよ 涙には十分だ


あれは幻 君と見た夢の世界
いつかは消えると 知っていた悲しい夢

積もる花びらを 踏みしめて
切ない気持ちを 喉で殺す
僕らはもうすぐ さよならだ
繋いだ手を 離すんだよ

想いはいつの日も 
言葉一つに乗り切れず
こぼれて消えてくよ
伝えたいことがあるのに


散った桜はその日から
次の春を待つの

いつかまた 此処で会えるから
その時に 笑って話せるよう
今はただ 君を見送ろう
『いってらっしゃい、元気でね』


流れる月日は多分
僕らを変えて行くけれど
それでもこの次は
笑えるかな 笑えるかな

想いはいつの日も
言葉一つに乗り切れず
こぼれて消えてくよ
伝えたいことがあるのに

さよなら さよなら


詞曲 オオキ ショウ